お客様インタビュー

日本経済の未来を変える大阪の可能性に期待します。

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RX Japan株式会社
代表取締役社長

田中 岳志

一般財団法人移行への対応や公募プロポーザル導入に伴うインテックス大阪の運営形態変更への対応という新たな礎を築き始めた2012年~2013年頃から現在に至るまで、RX Japan株式会社(旧社名:リード エグジビション ジャパン株式会社)様には多くの新規展示会を開催いただき、格別なお引き立てをいただくと共に、大阪・関西経済の活性化に多大なご尽力を賜りました。おかげさまで40周年を迎えることができた私たちが、これから50周年に向けて力強い歩みを継続できるよう、RX Japan株式会社 代表取締役社長 田中 岳志様より特別に応援メッセージをいただきました。

いつも、インテックス大阪をご活用いただき誠にありがとうございます。
私たちの施設に対し、どのような感想・印象をお持ちでしょうか。

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まず、はじめに40周年おめでとうございます。弊社とインテックス大阪とのお付き合いは、1998年9月の「ものづくり ワールド 【大阪】」から始まりました。東京で年1回開催していた「ものづくり ワールド」の大阪版を、初めて開催するにあたり、インテックス大阪の皆様には大変お世話になりました。

そこから年間1本だけのお付き合いが続きましたが2013年、大きな転機を迎えました。きっかけは当時、私が責任者を務めていた「SMART ENERGY WEEK」と「高機能素材 Week」というB to Bの展示会です。いずれも東京で年1回開催していましたが、成長の勢いに手応えを感じ、「これは大阪でも開催できる」と判断。インテックス大阪を全館活用して開催したところ、3日間で約5万名以上の方々にご来場いただけました。

予定来場者数を鑑み、事前に交通アクセスの課題が予想されたので、交通機関各社に増便のお願いをし、弊社も手弁当で大阪駅からインテックス大阪までの直通バスを運行しました。

さらに、5万名の胃袋を満たすべく、会場内にキッチンカーを何十台も導入し、テーブルと椅子を並べて1,200席のレストランエリアをつくりました。結果として、試算以上の大成功を収めることができ、「大阪でもこれだけの展示会ができる」というものができました。これを機に、弊社内では、東京だけで開催していた展示会をインテックス大阪でも開催するという流れが大幅に加速していきました。

この頃、展示会業界が、集客減に起因する地方展示会からの撤退、東京一極集中といった状態にあったなか、弊社は展示会の大阪開催に踏み切ったことにより、ここ10年におよぶ業績拡大・大幅成長を実現できたと確信しています。

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2013年10月、国内外から製造業、エネルギー関連企業、高機能素材メーカーなど 1,106社が出展、53,828名が来場。(50%以上が大阪以外から来場)
(左下)大阪駅~インテックス大阪間でシャトルバスを運行し、17,000名が利用。(右下)昼食場所を補うために、1,200席の飲食会場を特設。
インテックス大阪の皆さんと5万名の来場に備えることができた。

この10年間で展示会に求められる役割・意義はどのように変わってきたでしょうか。

展示会業界はいま、新たな変革期を迎えています。様子が変わってきたのは2015年頃から。展示会に対する出展企業様の期待度が高まり、近年では、出展費用を含めた投資に対してどれだけリターンを得られるか、また、マーケティング手法のひとつとして捉える動きなど、展示会に出展することで得られる付加価値が問われる時代になったのです。

大きな転機は2020年以後のコロナ禍だと思います。緊急事態宣言が長く続き、「もう展示会を開催できなくなるのではないか」、「再開したとしても何万人規模の展示会は不可能なのではないか」と危ぶまれたものの、「別の手法」としてオンライン展示会が登場しました。想像以上に好評を博した一方、将来的に展示会は全てオンラインになるのではないかという危惧が2〜3年ほど続きました。

しかし私たちは、出展企業様やバイヤー様にとってはリアル展示会が生命線であり、コロナ禍でもリアルを求めるニーズは絶対なくならないだろうと信じていました。むしろ「会えない時こそ会いたくなる」、そういう声も寄せられていました。ですから、RX Japanは展示会業界のリーディングカンパニーとして、開催をあきらめるのではなく、コロナ禍でも安全に開催できる方法を追求しようと、勇気を持って展示会の再開にいち早く取り組みました。

そして、コロナの制限がなくなり、通常開催が可能になった途端、リアル展示会が急増。現在はコロナ以前の状態まで戻ってきています。どれだけデジタルが進化しても、対面でのコミュニケーションが重要であり、その価値はいまだに代え難いものだということが証明されたと思っています。

では、これからの展示会において、デジタルは関係ないかというとそうではなく、競合するデジタルマーケティングの手法に勝る価値が求められるようになりました。つまり、リアルな展示会にデジタルの力をかけ算する、例えば、会期中の偶発的な出会いだけでなく、会期前からのマッチング、会期後のフォローアップを可能にするなど、展示会を効果的なビジネスプラットフォームに進化させるなど、これまで以上の付加価値を提供しなければいけない、それができなければ展示会業界は廃れていくと私たちは考えています。

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1998年から続く「ものづくりワールド【大阪】」をはじめ、現在は、年間26本の展示会をインテックス大阪で開催

インテックス大阪、および、大阪・関西のポテンシャルについてどのようにお考えでしょうか。

日本経済の発展を考えた場合、大阪という都市は今後ますます大きな役割を担うでしょう。なぜなら、大阪が発展し、存在感をもっと高めていけば、東京一極集中に歯止めをかけられるだけでなく、大阪の成功事例をもとに名古屋や福岡などの中核都市も栄えていく、すなわち日本全体が活気づき、日本の未来を好転させられると思うからです。

また、大阪は今、インバウンドで大きな注目を集めていることからも分かるように、世界的に見ても個性的で魅力ある都市だと思います。国際空港やホテルなどのインフラも十分整っているので、展示会場や周辺のネット環境、交通アクセスなどをもう少し整備していただけたら、将来的に、ラスベガスやハノーバー、バーゼルなどのような世界有数の展示会都市と肩を並べる存在に発展する可能性も大いに秘めていると思います。

展示会によって、世界中から人や最新技術・情報を集めることで、大阪の都市としての魅力はさらに高まります。数万人規模のビジネス客を定期的に呼び込むことができれば、ホテルや飲食、交通インフラなども含む、多くの産業に巨大な経済効果がもたらされます。
加えて、展示会ビジネスは、エネルギー関係の翌週は宝石関係、さらに翌週は繊維関係など、様々な業界で開催できるので、不況の影響を受けにくいとされています。

人が動けばお金も動きます。今後は、大阪から波を起こして、東京を刺激しつつ、日本の展示会産業をリードしていただきたいと思います。

これからの未来に向けて、インテックス大阪や大阪・関西の経済界に
どのようなことを期待されますか。

私たちが今後、インテックス大阪に望むことは、高度化やAI活用、ネット環境整備、セキュリティ強化などいろいろありますが、あえて優先順位をつけるならば、安全性が一番大事だと考えます。

その理由は、展示会の開催に向け、弊社は1年かけて入念な準備を行いますが、たった3日間の展示会期間に、良い意味で何もなく安全に開催できることの価値は何ものにも代え難いからです。

インテックス大阪は40年もの間、毎週のように展示会を安全に実施してこられた実績があります。しっかりと予定通り展示会を開催できるようサポートいただけるスタッフがいること、安定したメンテナンス技術も価値の高いことです。主催者がいくら準備をしても、会場側に何か問題が起きればどうしようもありませんが、その点、インテックス大阪の現場スタッフの皆さんはいつも私たちの信頼に応えてくれています。「いつ何が起こるか分からない」という、最悪の事態を想定しながら、最善の整備と努力を積み重ねておられるからこそ、G20大阪サミットを筆頭とする国際会議や、大阪コロナ大規模医療・療養センターなど、重要かつハイレベルな危機管理能力が求められる案件がインテックス大阪に集中しているのだと思います。

次に期待したいことは、通信環境の整備です。今後、顔認証システムの導入など、展示会の高度化が進んでいくと予想しています。世界の展示会場では、5万~10万人が集まって一気にWebを使うことで一時的に電波が使えなくなるなどの障害も発生しています。高度技術に関しては、国や自治体との連携が一層重要ですので、見本市・展示会を「まちづくり」の一環と捉え、世界レベルの環境が整うことを願っております。

私たちも、これまで以上にインテックス大阪を活用して、展示会事業を発展させたいと思っていますので、大規模修繕をはじめ各種施設・機能を万全に整備し、今以上に安全性・利便性を高めていただきたいと思います。また、引き続き、スタッフの皆さんにもステージアップをお願いしたいと思います。「インテックス大阪で展示会を経験したら絶対リピーターになる」それくらいの満足度が得られるおもてなしが実現できると確信しています。

加えて、ラスベガスのように、施設だけではなく、周辺のホテルやレストラン、アクティビティも含めたエリアの魅力で出展企業が集まっている事例もあります。現在進行中の大阪湾ベイエリア地区や夢洲・咲洲の再開発と合わせて、大阪・関西万博やUSJなど、展示会が終わった後のアフターコンベンションの魅力向上にも期待しています。

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Profile

RX Japan株式会社
代表取締役社長 
田中 岳志 氏

1999年慶応義塾大学卒業後、リード エグジビション ジャパン株式会社(現・RX Japan株式会社)に入社。 以後、エレクトロニクス、新エネルギー、高機能素材、農業、医療等の様々な展示会で責任者を歴任し、その全てを成功に導く。2019年に代表取締役社長に就任。「世の中の期待を超える展示会を開催することが主催者の責務である」との信念のもと、日本最大の展示会主催会社を率いる。2025年は、年間38分野106本の展示会を日本全国で開催。